有料老人ホーム

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適度な距離で家族関係が修復

B様(80代女性)の相談を受けたのは息子様からでした。一人息子が結婚したときから同居していたB様。ご主人を早くに亡くされたB様はご自分で商売されていたこともあり、一家を切り盛りしておられました。お嫁様にも厳しく接しておられたそうです。

B様に認知症の症状が出始めたのに最初に気づいたのはお嫁様でした。集金したはずのお金や通帳がなくなった、とB様が大騒ぎしておられるのです。一緒に探し、見つかるとお礼を言うどころか、「私はこんなところに置いてない。」「誰かが動かしたに決まってる。」といわれたそうです。

しばらくすると、お金と通帳から、保険証、バスの乗車券、大事にしている手帳など、次々にB様の大切にしているものがなくなるようになりました。そのつど、缶の底のほうや、引き出しの奥から出てくるのですが、B様は「誰かが隠して私を困らせようとしてる。」「家の中に泥棒がいる。」と立腹されます。

息子様はB様とお嫁様、両方から訴えられ、困ってしまいます。その様子をみていないのでなんとも言えず、双方に「まあまあ」となだめていました。B様の大切なものがなくなることは続きました。しまいには、何かなくなると同居しているお孫さんや、お嫁さんの部屋を探すようになり、名指しで「お前が盗ったんやろ?」とお嫁さんやお孫さんを批難するようになったそうです。

お嫁に来た当初からきつくあたられ、我慢していたお嫁様はこれにぷっつり切れました。息子様はお嫁様に離婚届を突きつけられ、ホームに相談に来られました。

初期の認知症は短期記憶障害といって、ちょっと前のことを忘れてしまうということが起こります。数十年前のことはしっかりと憶えていても、さっき食べた食事のメニューが思い出せない、という感じです。B様のケースも、たぶんB様自身が大切にしまいこまれたのでしょう。ただ、「さっき私がここにしまった。」ということを忘れているので、普段あるはずの場所にないと、「盗られた」となるし、出てきても「誰かが隠した」となるのです。

B様とお話をしましたがまったくもってご自分が忘れているという認識はありません。それどころか、年寄りをいじめるひどい嫁の話をさんざん聞かされました。こうなると同居したまま修復は不可能です。距離をとるためにも、B様はホームに入居されました。

「自分の家なのに、嫁に追い出された」と最初は怒っておられましたが、自室に鍵がかかることから、「これで大事なものを盗られることがなくなる」と次第にホームでの生活に打ち解けてこられました。

入居当初は険悪だったお嫁様には、入居して、物理的に距離をとることで、もう一度B様との関係を作ってください、とお願いしました。今は月1回程度、一緒に食事に出かけておられます。B様はうれしそうに「息子の家族とご飯食べてくるわ。」と出かけていかれます。

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