老人ホームに入居する前、お年寄り本人、ご家族は老人ホームにどのような印象を持っているのでしょうか?
何でもやってくれるところ?
呼べばすぐに来てくれる?
病院みたいに看護師さんがいるので安心?
家と同じように自由にできる?
入居前の印象は、入居前どのようなところに居たかでかなり変わってきます。
たとえば、在宅生活をされていた方
家族は、入居前に本人にどのような場所だと話をするでしょう?
「一人部屋だから、家と同じよ。自由にできるよ。」
そう説得されて入居した人にとっては、食事が共同であったり、安心のために玄関にロックがかかっていたりするだけで不満を持つかもしれません。認知症の方や、一人でいることが不安な方にとってはすばらしいサービスが、その方にとっては不満の原因になるのです。
ご自分でホームを選んで入居される方より、家族が本人を説得して入居に至るケースのほうが圧倒的に多いのが現状です。そうなると家族は本人を説得するために、在宅生活や病院との比較を行います。
健康上の不安のある方にとっては、看護師さんがいる、というのは魅力かもしれません。ただ、実際は、診てもらうことはできても、診断や治療はドクターがすることになりますし、治療のために入院となる場合だってあります。そうなると、ホームに看護師がいることのメリットは、早期発見ができることと、緊急の際の応急処置ができることくらいでしょうか。
自宅で入退院を繰り返していた人は、ホームでも入退院を繰り返すことになり、「安心してずっといられる」という思いからはかけ離れてくることでしょう。
また、入居前の属性として一番多いのは、入院した人が、退院後に家に戻れずにホームに入居するケースです。本人は家に帰りたいので、家族は嫌がる本人を必死に説得・説明をします。
ここでよく出るのが、「呼べば来てくれる」「安心」「何でもしてくれる」というセリフです。この説得により、一人きりの自宅に帰るよりホームのほうがいいかも、と思って入居した人のケースを考えてみましょう。
実際は、有料老人ホームのほとんどが介護保険を使って介護の部分を行っています。ご存知かもしれませんが、介護保険制度の理念は「自立支援」です。「自分でできることは自分でして、重介護になるのを防ぎましょう」という方針が、平成17年の改正後は特に強く打ち出されています。
これは、有料老人ホームに入居しても同じです。
老人ホームには、24時間スタッフがいますが、24時間途切れずに自分にサービスを提供してくれるわけではありません。状態により、必要な部分に対してケアサービスが組み込まれます。あれやって、これやって、と頼んでも、家政婦さんのようにやってくれるわけではありません。
手厚いケアを求めてホームを出る人もおられれば、もっと干渉されないところに、と高齢者向けの住宅などへ引っ越す方もおられます。入居前の説明によりいだいたイメージによって、同じサービスでも満足するか、不満に思うかは変わってくるといえます。
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