お年寄りになると、体のあちこちに不具合が出てきて、病気と付き合いながらの生活が必要になります。病院にいくとたくさんお年寄りの方が待合室におられる風景を目にします。病院に行けるのは元気な証拠、というような笑い話もありましたが、お年寄りにとっては病気とどう付き合っていくかは生活をゆるがす大きな問題には間違いありません。
有料老人ホームですが、入居の基準として、
「病院に入院する必要の無い人」
ということがあります。
つまり、病気はあっても内服薬で治療をできる、つまり、在宅生活を送れる人は問題はありません。
看護師が常時滞在している老人ホームもあります。しかし、考えてみてください。病院でも、看護師は医師の指示がないと勝手に医療行為を行うことができません。つまり、老人ホームでの看護師は、医療行為のためにいるのではなく、療養上の世話のためにいるのです。
ですから、老人ホームには看護師がいるので、医療面は安心、という考え方はちょっと危険です。体調面で何か起こった場合は、介護スタッフでも、看護スタッフでも、まず医師の指示を仰ぐことになりますし、ホーム内で治療ができなければ入院設備のある病院へ入院になります。
入居を検討するときには、まず体調が安定しているかどうかを考える必要があります。在宅で入退院を繰り返している人は、老人ホームに入居しても入退院を繰り返す可能性は高いといえます。
有料老人ホームでよく起こる医療面の問題点として、①吸引 ②インシュリンの注射 ③経管栄養などがあります。これらの医療行為は、家族は在宅で行うことはできますが、老人ホーム内では介護スタッフは行うことができません。看護師が夜間に配置されていない老人ホームに、吸引が必要な方が入居されたらどうなるでしょう?吸引が食後だけなど、限られればいいのですが、いつ痰が詰まるかわからない人などは、非常に危険だといえます。
インシュリンの注射もそうです。
自己注射用のものは、安全面に配慮されていますが、針がついています。針がついているものは、介護職は扱うことができないので、看護師だけができる医療行為になります。日曜などに看護師が不在のホームだと、代わりに家族が出かけていって注射するしかありません。
経管栄養の介助も、医療行為といわれています。
毎日、継続的に必要になってくるものに関しては、ホームで提供できるかどうか事前に検討しておく必要があります。入居時は必要なくても、持病の悪化などでのちのち必要になってくる場合もあります。その場合、どうなるのかも事前に確認をしておく必要があります。
どちらにしても、全身状態が悪く、生活を楽しむよりも医療的なケア、目配りのほうが重要だと思う方に関しては、無理に入居をすることが、その方を苦しめてしまう可能性もあるので注意が必要です。
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